【郡山市】瓦について(渡邉)
本日は和瓦・モニエル瓦・セメント瓦について書いてみようと思います。
まず、和瓦は、粘土に釉薬をかけ、高温で焼き上げた瓦です。釉薬はガラスの粉ですので、塗装は出来ない建材でございますが、水が浸透せず劣化しにくいため耐久性が非常に高い屋根材です。欠点としましては、1㎡面積あたり約46kgと非常に重く、耐震性には優れておりません。瓦自体に劣化は無くても、瓦のずれや瓦を留めている番線の切れ、棟やぐしをささえているモルタルの劣化など瓦以外の経年劣化がございますので注意が必要です。また、雨仕舞いが悪いため瓦より先に下地が劣化してしまいます。
次に、モニエル瓦はセメントと川砂を混ぜ合わせて作る乾式コンクリート瓦と呼ばれるヨーロッパ発祥のセメント瓦の一種です。表面に着色スラリーと呼ばれる色のついた薄いセメントの粉を吹き付けて仕上げており、一般的なセメント瓦に比べるとデザイン性に優れていることが特徴です。製造元であるラファージュルーフィング社が2010年に日本から撤退したため、現在日本では新しいものは作られておりません。欠点としましては、素材のセメント自体には防水性が無いため、定期的に塗装を行う必要があります。しかし、このモニエル瓦は色を付けるための着色スラリーという粉が表面に吹き付けられ、スラリー層という層が形成されております。このスラリー層を可能な限り除去した上で無ければ塗装が密着せず、すぐに剥がれてきてしまうため、数ある屋根材の中で最も塗装に気を付けなければならない屋根材と言えます。
最近ではこのスラリー層を固める働きをする下塗り材も出てきましたので、以前に比べれば施工も安易になってきましたが、知識のない業者が施工を行ってしまうとトラブルの原因になりますので注意が必要です。
最後に、セメント瓦はセメントと川砂を混ぜ合わせたモルタルを原料に作られた瓦です。日本では戦後、最も多く使用された屋根材です。瓦に厚みがあるため、遮音性と断熱性に優れているのが特徴です。欠点としましては、セメント自体に防水性が無いため塗装を欠かすことが出来ない事と、瓦の重量が1坪あたり140kgと他の屋根材に比べて重いことがあげられます。瓦の重ね代が30㎜~50㎜と雨仕舞が悪いため、横殴りの強い雨に弱いことも特徴です。
以上のように、瓦は瓦でも塗装を必要とする瓦もございます!